生活保護も入口はいろいろで、社会福祉協議会の生活困窮者自立支援制度にまず相談があって、市の福祉事務所に予約を入れて同行するということもあれば、逆に福祉事務所から新規申請者の支援をしてほしいということもたびたびあった。

大体は市から受託しているシェルター事業が絡んでのことだったり、法律問題があったりした場合であるが、そういう逆パターンも多かった。

それでである。
個人的に究極の断捨離をしている人は生活保護申請者ではないかと思う。
印鑑や国民健康保険証(持っていない人もいるが)など必要最低限のものをカバンやトランク一つに詰め込んで、相談窓口に来る。
頼れる人は誰もいず、扶養紹介をしてもだれも援助する人はいない。

そのようななかで淡々と福祉事務所の相談員が成育歴とかを聞き取っていく。反対に生活困窮側に初来初した場合も聞き取りを同じくしていく。

所持金は数十円とかそういう人も多くいた。困りに困っての相談である。

そしてその人のその傍らには手提げかばんが一つ。

あらかた聞き取りが終わり、生活保護を申請すると、低額宿泊所もしくはシェルター(市が借り上げたアパート)に同行する。
引っ越しなんていらないのだ。普通の旅行者よりも荷物が少ない。

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2週間ばかり低額宿泊所かはシェルターで過ごし、生活保護の受給ができるかどうかを待つ。

その間は食事の提供(朝:パン、昼:福祉センターの弁当、夕:宅配の業者弁当)。お金を少しでも持っている人は煙草を買ったりするが、基本的にお金がない人ばかりなので、生活保護の初回支給日まで現金収入はない。したがって荷物も増えない。

「究極の断捨離」と書いたゆえんである。